私たち石上ファームは飼料用米の活用に取り組んでおります!

『日本農業新聞』10/17付の一面に
「米適正生産量679万トン 減産幅過去最大 需給安定へ正念場 21年産主食用」という見出しの大きな記事が載っておりました。ネット上の記事urlはこちら

ここに挙げられている数字がどれほどのインパクトであるのかは専門外ですのでハッキリとしたことは分かりません。ただ、普段の『日本農業新聞』さんの一面トップ記事よりも、さらに大きく目立つ形で記事構成されていましたので、おそらく米農家の方にとってはインパクトの大きい状況なのだろうなということは伝わってきました。

https://www.agrinews.co.jp/p52160.html
https://www.agrinews.co.jp/p52160.html

なぜこの記事について言及したかといいますと、弊社は自社銘柄「まごころ豚」の指定配合飼料においても、またコープデリ「お米育ち豚」指定生産者としても、肥育後期飼料は全量15%の国産飼料用米配合の指定配合飼料を使用しているからです。

『コープデリ商品BOOK2020春』より

主食用米がこのような状況にあるということを知ると、非主食用米の代表格である飼料用米の一端にささやかながら関わっているということに改めて意義を感じます。また、使う効果としましても、「脂の甘みがより美味しくなった」といった評価の声をいただいております
(これは弊社独自の飼料米効果というわけではなく、コープデリさんのほうで「お米育ち豚」ブランドの立ち上げや発展の中で大規模な試食試験や調査など実施もされていて同様だそうです)
(また、こちらの書籍 『飼料米の生産と豚肉質の向上』 にも詳細有り)

「飼料用米を使った豚肉」という意味では他にも、全国の養豚生産者の中でも先駆け的に取り組んでこられたフリーデンさん、平田牧場さん。また、同じ茨城県内でも常陽発酵農法牧場(株)さんが「飼料用米活用畜産物ブランド日本一コンテスト」豚部門の賞を獲得されるなど、各地で取り組みがされています。

ちなみに稲作生産者さん向けの飼料用米関連飼料としては以下のようなものが検索してヒットしました。農水省ページよりもこちらのほうがまとまっているように見えます。
飼料用米・米粉用米の 複数年契約に取組みましょう – JA全農

主食用米がこのような状況であるからこそ、飼料用米に取り組む養豚生産者として、頑張っていきたいものです!また、飼料用米の取り組みが広がっていって、このような主食用米の状況を少しでも下支え出来ればいいのではないかと思い、まだまだ「飼料用米」という言葉自体ご存じない方もいるでしょうから、少しまとめてみました!

「養豚」「茨城・鉾田」に立脚する事業

のっけからタイトルに掲げた言葉と全然違うとこから始まってしまいますが、最近、youtubeでプロボクサーの細川バレンタインさんの動画にドハマリしてます。本当にトピックのチョイスから、語り口から、ところどころに挟み込まれるウィットに富んだ笑いから、見入ってしまう動画ばかりだけれど、中でもこの↓動画が今回、このブログ記事を書いてみようと思ったきっかけ。

詳しくは動画本編を通して見てほしいところですが、この動画の中で細川バレンタインさんは自身がナイジェリアにルーツを持つ黒人ハーフとして様々な偏見を実体験として受けてきたことも踏まえた上で、そういった黒人差別偏見に対しても「自分がそれを変えられるように 自分がそのスタートになってみようぜ」と、「偏見をなくすよりも 良い偏見をつくっていく」ということを提唱されています。
と、こんなふうに文字に起こすだけでは全く伝わらないと思いますが、細川バレンタインチャンネルにあがっている動画の中でも、これは本当に響きました。

というのも、やっぱりどうしても、自分たちが営んでいるこの事業を考えたときに「養豚」という業種、「茨城・鉾田」という地域、少なからず良くないイメージを持っている人がいるという現実が厳然として存在しているからです。(これは「偏見」という言葉で表すものかどうかは微妙なので「良くないイメージ」という言葉にしておきますが)

と言っても、どちらに関してもあまりピンと来ない方もいるでしょうから、それぞれ少し触れていきます。まず、「養豚」という業種について。専門誌『Pig Journal』7月号に寄稿した記事にも書いたように、私は社内で採用担当として人材採用に関わっています。重要な採用ツールの一つとして農業専門求人サイトがありまして、それぞれの求人サイトに大なり小なり「スカウトメール機能」というのがついています。プロフィール等を見ながら自社の求める人材像に近い方にメールやメッセージでアピール出来るという機能なのですが、これを見ていくと希望業種欄に「酪農・肉牛・養鶏」を含んでいるのに「養豚」だけは丁寧にチェック外されているという方が非常に多いことに気が付きます。また、中には「養豚」以外の全業種を含む(またはそれに近い)形で項目チェックされているのに「養豚」だけは入っていないというケースも。

お陰様で今でこそ専門誌に人材に関わる取り組みとして寄稿依頼が来るような状況になっていますが、私が役員になった6年前時点では非常に、そもそも人材を採用すること、また採用した人材を如何に定着させるか、いずれも大きな苦労を抱えていました。ですので、それこそ穴が開くほどと言ってもいいぐらい、本当に暇さえあればスカウト機能欄を見ては新しい登録者の方がいるかどうか、どんな情報で登録しているか目を光らせていた時期があったので、これがたまたまの一過性のものではなく、根強い傾向として、しかも農業専門の求人サイトに登録される方の間でもそういった状況であるということに少なからずショックを受けました。

それと、冒頭にもう一つあげた「茨城・鉾田」という地域について。これに関しては、私自身この鉾田市で生まれ育ち、今も鉾田市に住んでいますが、同世代の多くは市外や県外に拠点を移している人も多い状況があります。そして、「なぜ外に出ていくのか」という理由として多く語られるのが「だって鉾田市(または茨城県)には仕事がない。あっても、それは”働きたい”と思える仕事じゃない。」というもの。これは大都市・近郊以外ではどこでも同様に言われる話かもしれませんが、そう頭では理解するとしても、やはり自分自身は茨城・鉾田に残っている側として、寂しい・残念だと感じる話です。

「養豚」という業種、「茨城・鉾田」という地域、これらへの良くないイメージに対して、細川バレンタインさんが「黒人差別偏見」に対するスタンスと同じように、「自分がそれを変えられるように 自分がそのスタートに」していきたいと。これは前々から何となく感じてはいたことですし、近い方には同様の話をしてきたこともありましたが、改めて細川バレンタインさんの動画を見て、ここにこういった形で表に出してみても良いのかなと感じました。

ただ「でも、どうやって?」という話になると、これは「行うは難し」という話で、そうそう簡単なものでも無く、たかだか数年でどうこうなるものでもないと思います。そんな大変で時間もかかる話だということは分かっていながらも、一つ道筋としてハッキリしていることは有ると思っています。それは、まず自社で働く社員の皆に「ここに入って良かった」と感じてもらえるようにしていくこと。と言いつつ、これもまた「言うは易し 行うは難し」なんですがね!
現実的にはまだまだ「本当はもっと給与・賞与を増やして欲しい」「農場の環境をもっと働きやすいものにしてほしい」という個々の希望があることは承知しています。全然応えきれてはいない。でも、それを一つ一つ課題クリアして、「ああ、この会社で良かった」と感じてくれる社員が増えていくようにすること。

そういったことの積み重ねで、いきなり多くの人の意識が「養豚は自分の仕事にする上で一つの有効な選択肢だ」「茨城・鉾田でも自分の生涯設計組み立てられるだけの仕事がある」と一足跳びには変わらなくても、弊社の社員は一人ずつそういう方向に意識が変わったり、また既に持ってくれていればその意識を強くしてくれたりと変わっていってくれるのではないかと思っています。

冒頭に引いた細川バレンタインさんの他にもこれと似たような方向性の話として、弊社がサプライヤーとして応援する鹿島アントラーズが掲げる「Football Dream」という言葉や、実際に鹿島アントラーズが辿ってきた歴史もあるかなと思います。

鹿島アントラーズの前身は「住友金属工業」実業団チームでしたが、現在は合併して日本製鉄となりましたが、この鹿行地域で「住友金属工業」といえば知名度のある鹿島臨海工業地帯に拠点を構える大企業として有名。そして、この当時の「住友金属工業」だけでなく、工業地帯に拠点を構える多くの企業が転勤先が鹿島臨海工業地帯と分かると「転勤拒否」をしたり、場合によっては退職されてしまうという事例に悩まされていたそうです。なぜそんなことが起きていたかというと、工業地帯はあるものの他には何も無い上に交通も不便で、そんな「陸の孤島」に行くのは御免蒙る、という理由だったそうです。

そこで、そんな状況を打破するために、ちょうど持ち上がったプロサッカーリーグの立ち上げに加わって「町おこし」に繋げていこうと、当時の鹿島町と官民一体となってJリーグ入りを目指してスーパースターのジーコを招聘し、それでもJリーグ側に「スタートからの加盟は99.9999%可能性が無い」と言われれば、日本初の屋根付サッカー専用スタジアム建設に動き…という色んなドラマがあるわけですが、これ以上説明すると長くなるのでご興味ある方は調べてみてください!
でも、そんな壮大な、スタートした時点では言っている話の規模が大きすぎるようなことに「Football Dream」というスローガンを掲げて、ほとんど可能性の無いといわれたスタート時点からのJリーグ加盟、そこからこの人工の少ない鹿行地域を拠点にしてJリーグ最多タイトル獲得、実績が認められて2002年W杯会場にも加わって、道路まで良くなって…というところに繋がるからこそ、鹿島アントラーズは面白い。夢がある。ただ強いというだけでなく。

そんな鹿島アントラーズの「Football Dream」に近いようなことを言っちゃっているかもしれませんが、これが言わば「Pigfarm Dream」なのかなと。自社の取り組みを通して業種や地域のイメージまで最終的に変えていければなと。

でも、これは何も弊社の専売特許めいた話でもなく、やっぱり似たようなことを先に提唱されている方もあり、現在進行形で似たような理想を旗頭に掲げている同業他社さんもあります。たとえば、この養豚業界では著名なコンサルタント獣医師である大竹聡先生は『おもしろい!日本の畜産はいま』 という本の中の「なぜ養豚は「おもしろい!のか」と題して書かれた小論の中でこのように書かれています。

“今後将来の日本養豚を考えたときに、もう一つ、筆者が個人的に切に願っていることがある。それは、日本養豚を知的欲求・文化的欲求を満たす対象となる産業にまで昇華させたいということだ。”

と。他にも勇気づけられる言葉も多いですし、「なぜそんなことが言えるの?」という理由付けにあたるようなこともしっかり書かれていますので、気になる方は是非、前掲書を。ここまでの形が具現化されてくれば、「養豚」だけがチェックマークから外される、という状況も大きく変わってくるでしょうね。

また、同業で似たような方向性をハッキリ旗印として掲げられている会社さんとして、熊本県の熊本興畜㈱さん、長野県の(有)タローファームさんがあげられると思います。
熊本興畜さんはもう会社名からしてその名の通りで「養豚で熊本を復興させる」という言葉を経営理念の一つとして掲げられていらっしゃいます。タローファームさんも「養豚を成長産業に!長野県で養豚を成長産業にする!これが弊社のスローガンです。」という言葉を掲げられていらっしゃいます。両社ともに、これからの日本養豚の中で存在感を示し続けていかれるのだろうなというエネルギーを感じる会社さんですし、弊社も両社の社長さんたちとお話させていただく機会があると、その度に良い刺激や勉強をさせていただいております。

こんな話は「ローマは一日にして成らず」という言葉のように、そうそう簡単に形になったりはしません。勿論、言うまでもなく、ここに書いてきたようなことを結実させていくには、農場成績も良くしていかないといけない(日本全国でも世界的にも年々上がり続ける傾向だから)、「良いものを」「より安く」という仕入れ(飼料やワクチンなど)での有効なコスト管理、肉質を評価していただいてより良い販売に繋げていく、天災などで畜舎が破損でもすればスピィーディーかつ丁寧な補修を工事業者さんと考える…等々、やらなければならない、やり続けていかなければならないことはたくさん有ります。当たり前の話ですが、売上や利益の向上も無く、手持ちのお金も増えていかないのに社員や地域への還元を上げていく一方では、やがてお金が尽きてジリ貧になりますからね!やることやって、色々成しとげていくことが大前提の話です。

でも、やがてはそういった積み重ねの行き着く先として、求職者の方が農業や畜産というカテゴリーの中で見ても、むしろ「養豚」が一番のチェックマーク入れてもらえるようになったり、地域の方に「茨城・鉾田には石上ファームもそうだし、他にも良い養豚企業が就職先として色々ある」と言ってもらえるようになったり。そんな「Pigfarm Dream」を目指していきたいです!


本当に↑にあげたもの以外も、細川バレンタインさんのyoutube動画は、こういうちょっと言いすぎぐらいのことでも掲げていこうかなと勇気づけられる動画が多くあがっていますので、お薦めです!ボクシングテーマの動画や、英語論、文化論なども面白いです!